社会を変える力

「ソーシャル物理学」という本を読んでいたら、人の行動や情報の流れに関する興味深いことが書かれていた。

「人の行動は何によって最も影響を受けるのか?」

例えば、

ダイエットを始めようとしたAさんは35才女性独身だ。IT企業に勤めている。

今月はもうすぐ終わるから、来月からにしようと心に決めて、毎月が過ぎて行く。Aさんには、毎週末ご飯を一緒に食べに行く女友達のBさんがいる。

決まって二人で、ファミレスで、デザート付きのご飯を食べた後で、おしゃべりするのがストレス発散だった。

ある週末、AさんがBさんを誘うと、予定が合わず、食事は先送りになった。

2週後、Aさんはいつも通りBさんを誘う。

一通り食べて、Aさんがデザートを食べようとすると、Bさんは今回は頼まないという。理由を尋ねると、

「私、ダイエットを始めたんだ。近くのジムに通い始めたの。」

Aさんは、心の中で叫ぶ。「え〜!私も行こうと思っていたのに、先を越されたわ。」

間も無く、Aさんもダイエット始め、Bさんの紹介でジムに通い始めた。

 

二人のダイエットが成功したかどうかは次回のお楽しみにしよう。ここで伝えたかったのは、Aさんは、もともとダイエットに興味を持っていた。ジムの新聞広告を見ては取り置きしていた。周辺にあるいくつかあるジムのHPも見て、比較していた。口コミサイトも詳細に検討していた。にも関わらず、重い腰は上がらなかった。

ところが、Aさんの行動に最も影響したのは、HPの情報でも、口コミサイトの書き込みでもなく、Bさんの行動だったのだ。

人は、身近な人の行動に最も影響を受けるのだ。毎日顔を合わせる人の行動に影響を受けやすいとも言えよう。一方で、あなた自身が行動を変えることは、身近な家族や友人に影響を与えることとなる。

私は常々、思っている。

マスコミの影響が大きく、人は、便利で楽な行動をとることが多い。本当の健康習慣を伝えるためにはどうしたら良いだろうか。

そう思って活動してきて気づいたこと。それは、一人が気づいて行動に移したことが、仲間を通じて、広がり共有できることが重要なんだということ。

ぐんまHHCとさやかクリニックと協働で、毎月セミナーをしている。そこで、参加したみなさんが、伝えたことを、日々実践し、それを仲間同士で共有する。

この流れが、情報の流れである。一人一人の行動が変わり、集団の行動が変わった時に、社会全体にインパクトを与えることができるのだ。

常識にとらわれない新常識を醸成していきたい。