方向性が間違えている vol.2
アレルギー治療戦略の最大の間違いは、アレルギーの本当の原因にアプローチせずに、免疫機構の制御に重点を置いたことにある。
例えば、アレグラとかアレジオンなどの抗ヒスタミン剤を内服している人は少なくないと思う。花粉症やアトピー性皮膚炎の治療薬として処方される。リンパ球の内、肥満細胞から放出されるヒスタミンがかゆみの原因であるから、ヒスタミンが働かないようにするための薬が開発されたと言うわけだ。
この理論を聞いて、あなたは、疑問に思うだろうか?なぜ、ヒスタミンが出るようなアレルギー反応が起こるのだろうか。
「先生、それは、アレルギー源を体に取り入れたからでしょう。」
と言う人もいる。卵アレルギーの人は卵を食べなければ良い。と言う。
本当の原因はそこにはない。誤ってリンパ球の誤作動を引き起こすのは、人工的に作られた化学物質であったり、水道水中の重金属だったりするのだ。また、大気中のPM2.5だったりする。
現代医学はどこへ向かうのだろうか。
大阪大学の薬学研究科では、PM2.5などの大気汚染物質が免疫機構の誤応答を引き起こすため、新薬が研究されていると言う。
免疫応答の仕組みを解明して、その誤応答を阻害する薬を開発するのだと言う。
驚いたことに、中国を中心に、PM2.5などの大気汚染物質が増えたことによって、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が増えているということを現代医学では認識しているということだ。
原因となるPM2.5は一旦体内に入ってしまうと取り除くことが難しいから、解毒というアプローチではなく、体内の反応を低下させることだそうだ。
このような研究をおかしいと思わないだろうか?
昔でいう公害が、世界規模で起こっているようなものだ。PM2.5が病気の原因だと認識しているならば、その汚染物質を大気中に排出しない社会づくりが大切なはずだ。万が一、体内に入ってしまったら、その化学物質をいかに体の外に出すかが重要なはずだ。
バイオレゾナンス医学では、PM2.5などの汚染物質が、アレルギー疾患に影響していることは、とうに認識している。さらには、それらを解毒する治療法も確立しつつある。
免疫機構の誤応答を抑制してしまえば、PM2.5は、体内に蓄積し続けるだろう。そのあとに待っているのは、免疫のねじれである。喘息は治ったが、膠原病や肺がんが増えてしまうのではないだろうかと推測する。
今後、電磁波があらゆる病気に関与していることも明らかになるだろう。その時に、電磁波を低減する世の中作りではなく、電磁波による免疫応答をストップするような薬でも開発されるのだろうか。そのようなことがあれば、人の病気はどんどん複雑化するだろう。
世の中の研究が、より健全な方向に向かうことを願う。
やはり、臨床家が、患者のために研究する必要があるのだろう。