方向性が間違えている vol.3

先日、「うつ病は脳の炎症である。」という面白い本をお借りした。

アメリカの有名な精神科の医師が、研究した結果を書いている。

デカルトの二元論が出てきてから、心は身体と切り離されて考えられている。このため、心の問題を身体からアプローチすることが疎かにされてきた。

しかし、腸の炎症と脳の炎症とが関係していることが分かってきた。

全身性炎症性疾患(膠原病など)は、そうでない人に比べて、うつ病発症率が高いことが分かった。炎症に対する治療で、うつ病が改善することが分かった。

うつ病患者は、脳の炎症によって引き起こされる可能性が、分子生物学的レベルで明らかにされつつある。例えば、うつ病患者の脳内の高サイトカイン血症が、腸の炎症、全身の炎症と関与していると言った具合だ。

などなどが書かれていた。

ここまで、聞いて、現代医学でも本当の病気の原因を追求していて、良かったなあと思った。

ところが、最後に解決策として、脳の炎症の機序を解明し、その炎症機序を抑制する新たな抗うつ剤の開発が望まれるとあった。

つまり、SSRI(®️パキシルなど)に代表される脳内ホルモン調整剤の代わりに、抗炎症剤を抗うつ剤として用いるべきだという発想だ。

どうしてこうなってしまうのだろうと思う。

炎症を抑える薬を飲んだら、一時的には脳の炎症が治ってうつ病は軽快するかもしれない。しかし、脳の炎症がなぜ起こっているかを考えずに、脳の炎症を抑えてしまったら、どこかでひずみが起きるだろう。

なぜ、うつ病などの精神疾患の患者は脳に炎症を起こしているのだろうか。

それは

1、病巣感染 体のどこかに強い炎症があって、それに脳が反応している可能性がある。それが、歯根感染、上咽頭炎、腸炎(SIBO)だったりする。

2、根本治療とは、歯根感染なら歯の治療、上咽頭炎だったら、上咽頭扁桃を含む鼻のケア、腸炎だったら、食生活を含む腸のケアが大切だ。

3、さらに、炎症の原因は、汚染や感染だったりする。その汚染源、感染源を体内に入れないようにする工夫や、一度入ってしまったらそれを解毒する必要がある。

当院では、上記をアプローチし、根本治療を実践している。

ちょうど、5月にドイツであった発達障害の国際カンファレンスで、スウェーデンのブロンベルグ医師が言っていた。グルテンによって腸内環境が悪化し、自己抗体ができるとその抗体が血液脳関門を通り、脳に炎症を起こし、それが、発達障害の一因であると発表されていた。バイオレゾナンスによる根本治療で、発達障害に対して結果を出しているという。

現代医学で、病気の原因に迫っているにも関わらず、解決の方法が、対症療法の域から出ないことを残念に思う。

医師は、なぜなぜなぜ?を追求するのをやめてはいけない。

真の医療は、伝統医学でも現代医学でもなんでも良いが、病気の根本にアプローチすべきだと思う。