指示待ち人間は退化する
人は、詳細に教えれば教えるほど、考えなくなり、バカになる。
これは、教え方の問題かもしれない。
正確に言えば、結果だけ教えると応用が効かない。むしろ、本質を伝え、なぜそうなのかを伝えれば、人は自分で考え自分で判断するようになる。
だから、むしろ、結果を伝えないほうが良いのかもしれない。
例えば、
「漢方薬は、食事の30分前までに飲んでください。」
と飲み方を伝える。すると、
「先生、漢方を食事の30分前に飲むことができなくて、結局飲めないのです。」
「え?」
と言うこともある。
何故、30分前までなのか。
空腹時の方が、吸収率が良いからである。だから、30分前だろうが、2時間前だろうが、お腹が空っぽの時なら良い。
では、食後に飲んではダメだろうか。
そんなことはない。ただ、吸収率が落ちるだけのことだ。食前に飲み忘れたら、食後に飲めば良い。
ただ一言
「なるべく空腹時に飲んでください。」
とだけ伝えれば良いのだろう。
サプリメントも同様である。
「食後に4粒ずつ1日3回飲んでください。」
と伝えたところ
「私は一日2食しか食べないので、8粒しか飲んでいませんがよろしいでしょうか?」
それなら、6粒ずつ2回飲めば良いではないか。食前だと、胃部不快症状を感じる人がいるので、食後と指示しているだけで、食前でも食後でも良い。飲み忘れたら、気づいた時に飲めば良いのだ。そもそも、サプリメントは薬ではないのだから。
と言うわけで
「一日12粒飲んでください。いつ飲んでも構いません。」
とだけ伝えれば良いのだろう。胃の不快感が気になる人は食後に飲むだろうし、それが気にならない人は、気づいた時に適当に飲むだろう。漢方と一緒に合わせて飲んだって良い。
人は、指示すれば、指示するほど、自分の頭で考え、自分で判断することをしなくなる。
つまり、思考パターンが、言われたことをコピーすることしか頭の中にない。
「先生、何を食べれば良いのでしょうか?」
「先生、塩はどの塩が良いのでしょうか?」
「先生、下着はこれで大丈夫でしょうか?」
とうとう、処方箋ならぬ食事箋まで詳細に出さなければならないのだろうか。
指示待ち人間は、いくら、教えても、自分の頭で考えることをしない。だから、退化するのだ。
そもそも、私が伝えるべきは、脳の使い方なのかもしれない。
「あなたは、自分の脳で考えていますか?」