自分の頭で考える

「指導医の俺の言うことだって、鵜呑みにするな。自分の頭で判断しろ。」

研修医の頃、ある先生から教わったことがある。何故ならば、人は判断を誤ることがあるからだ。だから、俺の言うことを百パーセント鵜呑みにしないで、自分で見たこと、聞いたことを軸に自分で判断するように教えられた。

何度か、ある先生の指示だからその通りにしたと言うことで、判断を誤ったことがある。

それ以降、情報を収集したら、最後は、自分を信じて、判断することにした。間一髪。と言う連続だったから。

それだって、誤ることがある。

これは、医者であることに限らない。

クリニックでは、医者である私が司令塔だが、私が間違えることだってある。だから、スタッフには、目の前の患者さんを第一に、自分の五感を最も大事にするように教育している。

それゆえ、指示があっても、おかしいと思うことは、フィードバックがもらえていると思う。

でも、やっぱり思う。

医者が指示しないと、全部が動かない。

こんな組織は古いし、可笑しい。

医療が他の分野に比べてイノベーションが起こりにくいのは、リスクマネージメントを優先するあまり、医者主導のヒエラルキーが崩せないゆえだと思う。

この古い医療体制から脱却するにはどうしたら良いのだろうか。

病院もクリニックも同じ。

古い古い医療の価値観に支配されている。

リスク管理より、目の前の患者を大事にせよ。

判断を仰ぐ前に自分の頭で判断せよ。

 

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