先生、幸せになって良いのでしょうか?
診察室と言う場は、日々、ユニークなことが溢れている。医者への問いかけは、人それぞれで面白い。
心療内科をやっていると、患者さんたちの、思わぬ思考のフレームワークに気づかされる。
バッチフラワーで言えば「セントーリー」
人のために生き、自分の言いたいことを我慢して生きている。滅私奉公。こんな考え方で生きていると、悲観的でうつになりやすい。当院には、毎日うつの患者さんが多くいらっしゃる。
「もっと、楽に、楽しいことをしたらどうでしょう。」
「あれもしなければならなし、将来のことを考えたら。。。」
「ねばならない」から抜け出せない。
生きている限り苦しまなければならないと言う思想に陥っている。これは日本全体がそうなのかもしれない。「働かざる者食うべからず」怠け者は生きてはいけない。そんな思想から、仕事をしないで休んでいるといたたまれないと言う人も多い。
「せっかく休んでいるのだから、思いっきり羽を伸ばしたらどうでしょう。それが、あなたの今の仕事ですよ。」
これは、私が実際うつに陥った時に自分自身にかけた言葉である。そんな時、お隣のご家族がこんな言葉を私に問いかけた。
「先生、楽しんで良いんですよね?」
この言葉がけにハッとした。すなわち、患者さんは、楽しんではいけないと言う思想に陥っていたのだ。
自分が幸せに生きることを許可しよう。楽しくハッピーに生きることを受け入れよう。
自分は誰かのために犠牲になって、不幸になる必要はない。自分がハッピーならば、周りもハッピーなのだ。多少、迷惑かけても良いではないか。