人は本来変わりたくないのだ

人間は、本来、変わりたいのか、変わりたくないのか。永遠のテーマではあるが、やはり、変わりたくないのであろうと思う。

ホメオスタシスという言葉をご存知だろうか。生体恒常性、つまり、生体内を一定の状態に保つ働きである。

例えば

気温が高く、体温が上がってくれば、汗をかいて、体温を下げて、元の体温に近づけようとする。

女性の体は、排卵後、妊娠が成立しなければ、身体を元に戻すために月経がある。それを支えるのは内分泌というホルモン系の上手な調整である。

いずれも、ホメオスタシスが働いて、人間の体内がある一定の状態に保たれている例だ。

何も身体に限ったことではない。

何か、新しいことをチャレンジしようと思った時、人は、挫折することがある。そして、チャレンジをやめてしまう人もいる。

本来、人間は変化を好まない。それは、ホメオスタシスの原則により、元の状態に戻る力が働くからである。

一方で、新しいチャレンジをし、自分の世界観を広げていける人もいる。人間は、自分の殻を破って、変化して行くことが可能である。変化を受け入れると、自分の世界観が変わる。そして、新たなホメオスタシスを作り出すのである。

そして、変化を受け入れることができた人は、自分が成長した喜びを感じることができる。すると、人は殻を破るのは辛いが、成長する喜びを知っているので、次の変化を受け入れるのが速くなる。自分の世界観をどんどん変え、成長していくことができるのだ。

逆に、変化することに対して、恐怖心を拭えず、ずっと同じ状態にいる人は、ぐるぐると同じところを巡ることになる。諦め、絶望の境地となり、うつ状態になる人もいる。変化したくないので、うつになるのだ。うつになるとますます変化に対応できなくなり、負のスパイラルから抜け出せなくなるのだ。

変化を受け入れることができた人と、受け入れられない人とでの、魂の成長の差はどんどん広がって行く。

私の人生は、私のもの。

あなたの人生は、あなたのものだ。

もう、誰のせいにすることもできない。

変化を受け入れるのか、現状維持を望むのか、そっと、手を胸に置いて考えてみよう。