花粉症の治し方

「花粉症に効く点滴があると聞いたのですが。」

こんな電話がクリニックにかかってきた。

これは本当かと言われれば、半分は本当で、半分は嘘である。

その理由は、治療の根本は点滴だけではないからだ。しかし、根本治療として、点滴療法をうまく用いると、花粉症症状は確実に改善する。

花粉症が治ると言えば、医療の常識を覆す一大事である。

かく言う私も、統合医療に出会ったばかりの頃、先輩方のクリニックを見学した折に、花粉症が治ったという患者さんを目の前にして、びっくり仰天したのを覚えている。何故ならば、花粉症といえば、アレロック、アレグラなどに代表するような抗アレルギー剤をローテーションで処方することしか、西洋医学では習わないからだ。

そんな私であったが、今では、当院でも、花粉症の根本治療は、当たり前のこととなった。

今年は昨年よりも花粉が多いというが、当院に通院中の患者さんの多くは、昨年より花粉症状が小さいと一様に言う。

どうしてか。

治療したからである。西洋医学でいう治療とは、症状を抑える治療なので、今年の花粉シーズンが終わると症状は治まるが、来年、同じ季節が来れば、症状がまた出てくる。年々、悪化する。

ところが、根治治療をすれば、症状は年々、軽減していくのだ。

花粉症の治し方を以下に示そう。

1、腸内環境のケアを行う

腸に炎症があれば、鼻粘膜にも炎症が起こる。また、腸の炎症は、全身のアレルギー疾患を引き起こすのだ。だから、アレルギーを改善させるためには、腸内環境を整えるのが必須である。当院では、小麦粉や添加物を控える食事指導を行なった上で、良質な乳酸菌をサプリメントで十分摂っていただく。

2、上咽頭のケアを行う

慢性上咽頭炎という概念をご存知だろうか。後鼻腔にアデノイドと呼ばれる扁桃組織がある。そこに炎症があると、鼻炎は治らない。そして、この扁桃組織の炎症は根が深いので、ちょっとやそっとでは、良くならない。そこで、定期的に洗浄する必要があるのだ。当院では、梅エキス(商品名:ミサトール)、エキナセアハーブ水を用いている。毎日、朝と夕に鼻腔に液体を垂らして吸収されることで、梅やハーブの抗炎症作用で、炎症が治っていく。可能ならば、花粉症が始まる3ヶ月くらい前から始められると最適である。できれば、今から来年の準備として始めると良い。私は、花粉症が軽度あったが、秋くらいから、上咽頭洗浄を始めて3ヶ月した頃、このアデノイド部分が痛くなり、鼻汁が止まらなくなった。2−3週間風邪を引いたような症状が続いて辛かったが、それを越えて、迎えた春は、花粉症状がほとんど出ないで過ごすことができたのだ。

 

3、体内デトックスを行う

ここで、いよいよご注目の点滴が登場する。

実は、花粉症の根本の原因は、花粉ではない。花粉は見かけ上、原因かもしれないが、根本原因ではない。体に、化学物質や重金属などが蓄積した結果、免疫反応が異常を示し、本来反応しなくて良い花粉に反応するようになってしまったのだ。このため、根本療法には、化学物質や重金属の解毒を要する。当院では、グルタチオン点滴やイオンデトックスなどを勧めている。それに加えて、血液クレンジングや高濃度ビタミンC点滴をすれば、免疫力が上がって、さらに効果的である。

上記治療をおよそ、3−6ヶ月かけて行うと、花粉症は改善する例が多かった。もし、花粉症の根本治療をしたいと思ったら、今から来年に向けて準備をする方が良いのだ。少なくとも、食事の改善、乳酸菌サプリの内服、鼻腔洗浄は手軽にできるセルフケアなので、当院を受診すれば、すぐにでも提供できる。その上で、グルタチオン点滴を2−3回すれば、軽度な花粉症はおよそ対応可能である。

もちろん、症状が改善しにくい例が存在する。その場合の共通点としては、以前に抗アレルギー薬、ピルなどのホルモン剤、ステロイド吸入などの薬を内服期間が長かった人である。その場合は、根本治療に時間を要するので、承知おき頂きたい。

さらに、治療期間中に、一旦症状が増悪する場合もある。私の場合がそうである。その際、「症状はありがたい」と受け入れて、観察することが大切である。むやみやたらに、薬で症状を抑えると、返って治るまでの期間が長くなってしまう。

上記を読んだ上で、花粉症の根本治療にご興味のある方は、是非、受診ください。