マイナスとプラスは表裏一体

メンタルケアのセミナーで話していて気づいたことがあった。

自分のマイナス感情を覆い隠さずに、それを受け入れることが大事だとお話ししていた。同時に、そのマイナス感情を周囲に話してみると、意外にも楽になると。

すると、こんな質問になる。

「先生、恥をさらせば良いのですか?」

何か、このことに違和感を感じていた。とにかく、大したことのない自分をさらけ出す話というのは、聞いている方も何となく居心地が悪い。

その違和感は何かと言えば、自己卑下だった。恥をさらし、自分を卑下する。その行為を勧めていると勘違いされたようだ。

私が言いたかったのは、そうではない。マイナス感情を受け入れて、自分のプラス感情に気づくことこそが大切なのだ。

なぜ、どちらかの感情にだけ気づいたのでは、不十分なのか 説明しよう。

例えば、プラス感情だけだとこうだ。

「私は、リーダーシップを発揮して、グイグイとチームを引っ張っていこう。リーダーだから多少、人を傷つけても仕方ない。」

マイナス感情だけだとこうだ。

「私は、夢中になると、相手に過剰な要求をしてしまい、相手を潰してしまうこともある。そんなつもりはなかったので、今後、二度とそのようなことがないようにしなくちゃ。私は、相手に、積極的に働きかけすぎないように、気をつけよう。むしろ自分を抑えて、いじめっ子にならないように気をつけよう。」

マイナス感情を受け入れた上でのプラス感情はこうだ。

「私は、夢中になると、相手を攻撃しやすい傾向がある。一方で、これは、チームの上に立ってリーダーシップを発揮する役割を持っていることでもある。相手の意見も尊重しながら、自分のリーダー性を自覚し、大切にしよう。」

マイナスだけでも、プラスだけでも不十分だ。両方受け入れた上で、自分に尊厳を持つことが大切なのだ。

決して、あなたは大したことがない人間ではない。マイナスな面もプラスな面も兼ね備えた、素晴らしい人間なのだ。

光が大きいほど、影も大きい。

自分の資質に気付き、影を受け入れた上で、あなたの強みを最大限発揮しよう。