エビデンスって何?
自治医大にいるときに、EBM
Evidence Based Medicineと言って、きちんと研究結果で検証されていることに照らし合わせながら、診療しましょうと教わった。
そうすると、いかに、ガイドラインが杜撰であるかも、分かった。
都合の良い論文しか引用していないことも多い。
一番驚いたのが、脂質異常症のガイドラインだった。年齢、性別によって、コレステロール値と心血管障害や脳血管障害のリスクは異なるにも関わらず、年齢、性別によらず、基準値は一定となっていた。ガイドラインを作成している先生方が、どうして、部分的な論文しか採用しないのかが不思議だった。
私が初めて参加したEBMの勉強会は、自治医大の地域医療学教室が、お昼休みに研修医向けに開いたものだった。隣の循環器や消化器科の勉強会は、製薬会社の美味しいお弁当付きであったにも関わらず、地域医療学教室の勉強会は、弁当なし、手弁当で昼休みに来るようにとのことだった。
つまりは、製薬会社の都合の良いEBMではないと言うことを、態度を持って証明していた地域医療学の先生方を尊敬した。
昼休みに行ったら、参加した研修医は、たったの3人だった。
そこで教わったことは、いかに、MRさんが伝える情報が部分的であるか、ガイドラインも含めて、見た目の情報をすぐに信じてはいけないと言うことだった。
批判的吟味である。
そこから、疑問に思ったことは、論文検索して調べるようになった。すると、確かに、製薬会社のMRさんが伝えた情報と異なったり、何となく使っている薬の効果が自分が想定していたより小さいことが分かった。
真のEBMを知らない人が多すぎる。ガイドラインを振りかざして、まるで、自分はEBMを実践しています的な医者が一番危ない。
そして、本当のEBMは、現場でこそ、出てくるのだ。
現場のリサーチクエッション臨床上の疑問を、実際に研究していく。それこそが、EBMと言えるだろう。
バイオレゾナンス を中心とした統合医療の研究結果は少ない。まずは、さやかクリニックの現場からも、エビデンスを発信していきたい。