サルトル先生との会話 vol.7

「先生、こんにちは。O社長からご紹介を受けたさわやかクリニックのSと申します。」

「Sさん、こんにちは。」

「一つ、気になる事があって、お伺いしても宜しいでしょうか。」

「はい、どうぞ。」

「実は、私のところでは、病気を本質的に治すということを追求しております。このため、老若男女を問わず、診療科も問わず、対応しております。ただ一点、自分の病気の本質に向き合うことだけを条件に診療をお受けしているのです。」

「ほほう。珍しい医者じゃの。物好きというか、何というか。」

「物好きというのは?」

「いやだって、デカルトが出てきてからというもの、人間機械論が出てきて、病気の本質に向き合わずに、その場限りに対応する医療が発展してきたからな。ハーネマンやバッチらは、とても苦しんだはずだ。君の時代には、もっとそれが色濃くなっているはずだから、時代に逆行してるのではないかな?」

「まあ、時代に逆行していると感じる人もあるかもしれません。ただ、現代には現代の問題が山積みでして。地球汚染、環境汚染が進んでいるが故に、病気も深刻化して。さらには、症状を抑えてしまうものだから、もっともっと病気は治りにくくなっています。」

「だから、物好きだと言っているのじゃ。まあ、素晴らしいことだ。本質的なことをしていれば、君の魂は喜んでいる。」

「私の魂ですか?」

「まあ、守護霊さまと言ったり、サムシンググレートと言ったりするがな。大いなる命みたいなものだね。」

「ちょっと、その辺はよくわからないですし、目に見えない世界は苦手ですが。」

「理解しようとしなくても良いが、その存在があるというくらいには認識しておいた方が良い。」

「それで、君の悩みというのは?」

「あ、そうそう。私自身は、患者さん自身が病気を治す手助けをしていると思っているので、自分が何か特別なことをしているという意識はありません。ただ、患者さんの中には、過剰に医師すなわち私に依存して、何とかしてもらいたいと思ってこられる方がいます。そう言った方に病気の本質を伝え、患者さん自身が改善すべきことをお伝えしています。ものすごく納得されて、どんどんよくなって行く方がいてとても嬉しいです。一方で、本質を伝えると、過剰に拒否反応を示して怒るか、もしくは、思考がフリーズしてしまって、私の言っている事が半分も伝わっていないと感じる事があります。そんな時に、とてもがっかりするのです。」

「う〜ん。なるほど。まあ、仕方ないさ。人は基本的に変わりたくないからな。君も知っていると思う。人間の本質はホメオスターシスだから。」

「では、なぜ、変わりたくないのに、私のところに来るのでしょうか。」

「それはじゃ、守護霊さまが連れてきているか、その家族が連れてきているパターンがある。ああ、つまり、大いなる命というものじゃな。」

「はあ」

「つまりだ。潜在意識といっても良いだろう。潜在意識では、治りたいと思っているので、君のところを受診するわけだ。ただ、理性が大きい現代人は、大脳新皮質が発達しているから、顕在意識では、治りたくないということになる。だから、君は、顕在意識が言っている患者の言うことで、あまり悩むことはない。結果をすぐには求めないことだ。いつかは分かってくれると守護霊様に話しかけるつもりで、俯瞰して話せば良い。」

「なるほど。本人の本質的な部分は治りたいと思っているのに、理性でそれを止めていると。」

「そうそう」

「だから、理性が強く働いている間は、待つしかないのですね。」

「まあ、待つと言っても、情報提供すれば良い。怒りが出て来ると言うのは、患者の本質をついて、本人に響いたと言うことでもある。」

「響くと言っても、怒りになる人と感謝になる人といるのですね。」

「そうだ。変わりたくない人ほど、怒りになる。その怒りに振り回されてはいかん。君の役割は大きいのだ。頑張りたまえ。この現代に、そんな物好きな医者は他におらんぞ。」

「サルトル先生、物好き物好きって、まあ、間違えてはないですけど(笑)」

「力を抜いて、楽しんで仕事に励むが良い。医者は君の天職だ。大丈夫だ。また話しましょう。」

「ありがとうございました。また、次回、よろしくお願いします。」