Rくんの創造性

Rくんとの出会いは衝撃的だった。

診察室の彼は、外身は子どもだが、会話の内容は大人である私よりずっと大人だった。

進化した人類は、このようになっていくのかと関心した。

彼との会話の中で、印象に残ったことがある。

「テレビでドラマや漫画を見ると、自分の中で、物語がどんどん創られていく。だから、

その続きを見るのが嫌になるのだ。自分が創った物語と違うのだもの。」

素晴らしい創造性だと思う。

「発達障がい」というのは、名称から「未発達」という印象を受けるが、

私は、「過発達」なのだと思う。進化しすぎて、世の中が追いついていないのだ。

先日、久しぶりにR君に会った。私は彼に会うのを密かに楽しみにしていた。

診察室から彼を呼んだが、なかなか入って来ない。

何やら待合室で、Pブロックに夢中になっていると言う。

やっと入って来た!

何やら自慢げに抱えているのが、彼の作品だった。とてもうれしそう!

いつも、彼の想像性には驚かされる。

 

*ご本人の許可を得て、投稿しています。