たわ言
先日、事務局長のMさんと話していた時のことだ。
「私のたわ言を聞いてくれて、ありがとう。こんなこと言って聞いてくれた医者は初めてです。」
そんなことを言われて、びっくりした。
「頭が痛い、目が痛い、左の脳みそから首にかけて痛い。肺が苦しい。」
診察室で、患者さんがそんなことを言い出したら、多くの医者は、「不定愁訴」といって、敬遠する。
医者の頭の中はこうだ。
「この人は、頭がおかしい。精神科疾患だ。さっさと内科的精査を終えて、精神科に紹介しよう。」
こうなると、採血、レントゲン、場合によっては、頭部MRI,CT,など色々検査し、異常がないと、精神科に紹介され、向精神薬が処方されることになる。
Mさんもそんなような経験があるそうだ。しばらく、薬漬けになったことがあるという。
しかし、私のような全身を診る総合診療医でかつ、バイオレゾナンスを軸とした統合医療が味方につくと、彼女の症状を医学的に推測することができる。
今回は、インフルエンザ、マイコプラズマ、RSウイルスの混合感染と、慢性上咽頭炎の治癒過程における急性増悪と推定した。
治療は、漢方薬内服、該当するウイルスの振動コードを入れたドイツ振動療法、最近導入した水素吸入、エキナセアハーブ水による上咽頭洗浄だ。
彼女の自然治癒力が遺憾無く発揮され、見事、回復に向かった。
「医師としての仕事のやりがいは何ですか?」
と聞かれて、多くの医者は
「ありがとうございます。先生のお陰で良くなりました。」
と言われることと答えるかもしれないが、私は違う。
感謝されるかされないかに関わらず、その人の自然治癒力の目覚ましさに触れることができた時である。そんな時、密かに喜びを感じる。その治癒力の上昇度は、バイオレゾナンスによって推定が可能である。何れにしても、本人の努力である。
医師とは、人の人生の転換期に出会うことができる職業なんだなあと日々実感している。
良くなるのも良くならないのも患者さんの自由である。治らない自由だってある。でもそれに向き合うことができた人というのは、どんどん良くなっていく。そんな力を持っている人間という生き物は素晴らしいと思う。