当院を受診するときにお願いしたいこと

毎日、初めての患者さんが来院される。

来院するとまず、問診票を記入してもらい、看護師さんが私の診察の前に、予め話を聞いて要点をまとめてくれる。その後、私が診察して、診療のゴールを設定し、治療が始まる。

お願いしたいこと

1、ホームページから問診票をダウンロードして記入して欲しい

これだけで、来院してからの時間の節約になる。

2、病歴の書き方

短い診察時間の中で、正確な診断をして、治療方法を提案するという過程において、医師の頭の中はどうなっているだろうかと考えたことがあるだろうか。

私の頭の中はこうなっている

「あなたがもっとも困っていることは何か(主訴)」

「それは、いつからどのように始まった症状なのか(時系列での出来事)」

「そのことについて、他の病院でかかったことがあるのか、検査、処方、治療歴」

「あなたは、このクリニックに何を期待してきたのか(ゴールの設定)」

他の病院でかかっている検査結果や処方歴を全く持参しない人がいる。これは非常に困る。なぜならば、現在の体の状態に大きく影響するからである。

そして、私は、患者さんの話を聞きながら、リアルに物語を作り始めている。それも、なるべくならば、時系列だ。だから、看護師から聞いた情報、患者さんから聞いた情報、両方が必要だ。ときに、同じことを聞くこともある。それは、あなたが困ったその時の状況をリアルに頭の中で再現したいからだ。

そうやって、あなたの日常生活の中で、病的状態がどうだったのかが、想像することができて初めて、正確な診断ができる。これは総合診療医として研修してきたときに、先輩の先生方から教わったことだ。

だから、クリニックを受診する前にお願いしたいことは、時系列に、現在の病気に関連する事柄を書き出して持ってきて欲しいのだ。すなわち、あなたの病気になるまでの物語を、時系列で書いてきて欲しい。

時々、

子供の受診にも関わらず、お母さんのお悩みが書かれていることがある。

また、大人で、自分の相談したいことが書いてあるが、バラバラ雑多に私へのお願いごとだけ、書かれている。

また、病状が全く書かれておらず、患者さん自身の病気への解釈や、他の医者から言われたことだけが書かれている。

どれも、大きな問題はない。そこから、病状を聞き出すので。

ただ、大切な診察時間が、それらに使われてしまうのは、実に勿体無いのではないだろうか。もっと大切なことに時間を使いたいのだ。

どうしてあなたが病気になって、どうやったら治すことができて、あなたのゴールは何なのか。そんな謎解きのような患者さんが、人生に向き合う診察時間を、毎日ひっそりと私は、楽しんでいる。