減薬について

最近、減薬の問い合わせが続いているので、お話したい。

患者さんがせっかく診療に来ていただいても、こちらの意図がうまく伝わらないことがある。
すると、患者さんにとっては、
「がっかり」ということになってしまい
お互いに、とても勿体無いのでその、理由を考えてみた。

1、医者に治してもらう→自分で治す

多くの人は、今までに起こった過去の事象を詳細に話す。
私は、家族とこんないさかいがあった。(ある)
私は、こんな親から生まれて来たから、〇〇なんだ。
私は、職場でこんな嫌がらせを受けた。
などなど。
「だから、私は不幸なんだ。先生、(可哀想な)私を治してください。」

もっと重篤になると
何だかわからないうつ症状で、
原因は思い当たらないと言う。
ストレスに感じている事柄を潜在的に覆い隠しているケースもある。
「よく分からないけど、とにかく辛いんです。先生、治してください。」

私の回答はこうだ
「残念ながら、あなたの病気を私は治すことができません。
あなたが治すお手伝いをするのみです。」

2、病気の原因 他人事➡️自分事へ

では、来院される心の病を持った人たちは、病気の原因を
何だと思っているのでしょうか。
過去の事象をなぜ、私に話すのでしょうか。
(もちろん話していただくことは重要です。話しながら気づくこともあるでしょう。)
それは、
自分の体験が、今の病気を作っていると思っているからです。
私は、こんな家庭に生まれなければ、うつにならなかった
私は、あんな上司に会わなければ、今頃、Aさんみたいに出世していたはずだ

しかし、その体験はあなたが作り出したものです。
その体験を作り出したのは
あなたの考え方です。
その考え方を作り出したのは、あなたの脳です。

このため、私たちは、脳にアプローチします。
脳内で起こっていることは、シナプス間の神経伝達物質のやりとりです。
ですから、西洋医学では、SSRI、SNRIなどの、神経伝達物質を増減させる
薬を用います。
しかし、薬は副作用を伴います。
そもそも神経伝達物質を作り出しているのは、あなたの細胞であり、
その材料は、アミノ酸であり、ビタミン、ミネラルです。
その材料の大元は、あなたが食べたものです。

食べ物を聞き、栄養療法でアプローチします。
体内の状況を確認するために、採血をし、バイオレゾナンスで
臓器の状態を推定します。
せっかく食べても腸で吸収できなければ元も子もないですから
排便状況を伺います。
寝ている間に、神経伝達物質は作られますから
睡眠状況を伺います。
また、運動によって、脳内環境を変わりますから
運動量を伺います。

当院では、あなたの生活習慣にアプローチします。
生活習慣が整うと、脳内ホルモン(神経伝達物質)は整います。
すると、減薬が可能になります。
ただ、薬を減らすだけではなく、あなたの脳、そして、身体全体を
整えることが重要なのです。

そして、身体を整えながら、考え方のくせを矯正していきます。
それは、当院精神科ショートケアで、グループワークによるSSTで
対応します。

なぜ、こちらの意図が、伝わらなかったのか。
それは、誰も、自分の精神状態が、身体や脳の状態から来ていると
思わないからです。
ただ、自分が体験したことが原因だと思い込んでいます。
状況は自分で変えられます。
変えるのはあなた自身です。
健康な身体には、健康な心が宿ります。

生活習慣を見直し、自分の考え方の癖を見直し、減薬に取り組みたいと言う方は
ぜひ、来院ください。

薬にフォーカスする診療を希望で、
自分の生活習慣は関係ないと言う方は
当院の診療は、時間の無駄ですので、他院をお勧めします。