栄養学の始まりは精神医学だった

栄養学を勉強していると、不思議なことが多い。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれるが、悪玉ではなく、
女性ホルモンや、胆汁を作る大事な材料になっている。
GOT,GPTと言った検診で測定する肝機能の値は、酵素の値であり
細胞のエネルギー代謝に欠かせない。
そんな基本的なこと、学生時代に学んだ生化学の本を
改めて最近のものを買い直して読んでいる。
医学生の頃には、暗号のように覚えたクエン酸回路の経路図がこんなにも
大切だったのかと、改めて学んでいる。
あの時は、とっても苦手だったが、今となると
診療に直結するので、とても面白い。

そして、分子整合栄養学もバイオレゾナンス医学も
診断を治療に結びつけるために、基礎医学の知識を十二分に使う。
それが臨床医の醍醐味とも言えるのだろう。
追求すればするほど、面白い。
面白いが、医師が診察室でやるのは、限界があり、
今年は、スタッフ、特に看護師教育を充実させて
採血データから体質を読み取って栄養指導までできる看護師を当院で
育てようと思う。

分子整合栄養学の最初を紐解いてみると
約50年前にカナダの精神科医 エイブラハム・ホッファー博士が統合失調症の治療に
向精神薬ではなく、ナイアシンなどのサプリメントと栄養療法が有効であると証明した
ことに始まる。
そして、栄養素の量は、足りない量を補うという概念ではなく
分子レベルで整合が行われるための十分量が必要だということだ。
そこから、栄養学が始まった。

当院も、精神疾患であれ、身体疾患であれ
栄養は根本である。
「食べることは、生きること」
より栄養学に力を入れていきたいと思う。