傷寒論から学ぶ
今日の音声ブログは、傷寒論序文から私が学んだことをお話しした↓
傷寒論について、太田薬局の太田智弘先生から教えて頂いた。
なんと1800年前に書かれた傷寒論の序文。今の状況と同じなのに気づかされる。
傷寒とは、急性の熱病のこと。現代で言う感染症のことだ。
当時、感染症と思われる急性の熱性疾患で3分の2が亡くなったと言う。その感染症に対して、伝統医学を先人から学んだ医者とそうでない医者とでは、治療に対する姿勢が全く異なったと言う。
そして後者によって、多くの人が命を落としたと言う。
医者たる者、先人の知恵を十分学び、その上で、自分の知見を加え、日々勉強し、精進すべきだ。
神農様のような天才的な医者は、生まれながらにして、自然から人類の成り立ちを学ぶことができるが、そうでないものは、日々学ぶべきであると。
これを聞いて、まさに、自分がやってきたことが正しかったと勇気付けられた。
そしてこの日、太田先生から学んだ、私の私見は以下の通りだ。
そして、漢方薬は、証に合わせて処方される。ウイルスの種類に寄らず、病期によって使う生薬が異なるのだ。本来、病気は、患者の体質に合わせて、薬を選ぶ者であって、外から侵入するものによって、一律に同じ薬を投与すべきではないのだ。
例えば、コロナウイルスによって、嗅覚や味覚の障害が出ていると言うが、これは、東洋医学の世界では、少陽病の状態で、柴胡剤の適応になる。何もコロナウイルスだけに特異的な症状ではなく、ウイルス疾患による熱性感染症には共通する症状とも言える。
だから、もうウイルスを消去する、除去することにばかり注力するのではなく、免疫力をあげるにはどうしたら良いかを考えるべきだ。そして、東洋医学の知恵を借りるならば、体質別に自分にあった免疫力アップの仕方を考える方が良いだろう。
私は、傷寒論序文にあるヘボ医者ではなく、少なくとも先人の知恵に自分の経験を合わせながら学ぶ天才に次ぐ医者でありたいと思う。