食べている物で自分ができている

さて、40代女性が、私のところを受診したとしよう。

「1週間前から、頭痛がひどいです。今までも頭痛は時々あったのですが、痛み止めを飲んで治っていました。今回は治らないのです。」

5年前の病院勤務時代の私の頭の中はこうだ。

「痛みの性質は?じんじん、ガンガン」

「持続時間は?」

「肩こりは?」

「麻痺などの神経症状はないか?」

まず、問診からくも膜下出血などの急性期疾患を除外する。次には、筋緊張性頭痛か偏頭痛か。はたまた、薬剤誘発性頭痛か。

さて、この方の場合は、急激に痛みがある。閃輝暗点を伴う。血管拍動性頭痛。すなわち偏頭痛だった。偏頭痛に特化した必要な鎮痛薬(西洋薬)を選択して、処方する。頭痛記録をつけてくださいね。と、さらに漢方薬に抵抗がない人であれば、体質に合わせた漢方薬として、冷えがあり、月経痛もひどいので、当帰芍薬散を追加処方する。そして、私は、

「ストレスが大きいでしょう。なるべく早く寝てくださいね。」と付け加えて返す。

総合診療医としては、ほぼ完璧な診療だ。

この診療に重大な欠陥があることに気づいた。さて、この方の偏頭痛の原因は何だったのだろうか?精神的ストレスだけだろうか?

今の私なら、電磁波は?カンジダ感染は?ヘルペス感染は?そしてグルテンは?とバイオレゾナンス医学的にアプローチする。

特に、最後の食事歴は欠かせない。

我々の体調不良のほとんどは、自分が食べているものが引き起こしている。こんな当たり前のことを、医療者ではないIT起業家が、声を大にして出版していたので驚いてしまった。

医療の専門家である私からしても、結構良い線まで、食事を追求している。さらに、LEDのブルーライトに対する警告 まで出している。非常に面白い。

DAVE ASPREY

IT起業家、投資家で、シリコンバレーで大成功を治めたものの、肥満と体調不良に悩まされていた。これは、食生活にあると考え、世界中の医師や栄養士の研究結果を元に自らの体であらゆる栄養療法を試したそうだ。その結果、自ら180歳まで生きると断言し、もっとも良いと彼が考える食事療法を提案している。

つづく。