知識から行動へ

知識を得ることは、重要である。しかし、それを行動に移し、実践しなければ、意味を持たない。

もう何年も前に、フォトリーディングと言う速読の勉強会に行った時のことだ。フォローアップ講座で、参加者と昼食をとった時のことだった。私の隣で参加されていた方は、何度も速読の勉強会に参加しているが、普段、速読を取り入れていないと言う。私は、びっくりした。

マインドマップ講座に参加した後もそうだった。私は、すぐに診察室でも、自分のメモにも全てにマインドマップを取り入れた。フォローアップでそんなことをシェアしていたら、

「関根さん、診察室で、マインドマップを描く時には、セントラルイメージは何を描くのですか?」

と聞かれたことがある。セントラルイメージとは、マインドマップを描く時に中心に描く絵のことである。もちろん、イメージは描いた方が良いが、文字だけでも良いし、何でも良いのだ。そんなことより、部分的にでも、新しく学んだノート術を日常に取り入れることが重要であろう。

フォトリーディングもマインドマップも脳の思考方法を変えるツールである。情報のインプットもアウトプットも加速度的に速くなる。だから、どんどん取り入れて、自分流にアレンジすれば良い。

しかし、多くの人は、完璧主義を手放さないので、その通りに実践できなければ、全くしないと言う元の思考法に戻ってしまうのだ。

自然療法も同様である。概念を知ったならば、実践してみるべきである。実践して初めて体得できることがある。

診察室で、様々な悩みの相談を受ける。それを解決するために、生活習慣を変えることを提案する。提案をその人なりに試してみて、生活習慣を変えていくことができた人は、病気が治癒するのも速い。

一方で、解決方法を提案すると、こんな心の声を聞くことがある。

「先生、私は、ただ、話を聞いてもらいたかったんです。そんな自分が努力して行動を変えようとは思っていません。そんな大変なことをするくらいなら、私は、病気のままでいて、薬を飲んで、ごまかしている方が好きです。」

そう、人間は、ホメオスタシスを好む。だから、変化を好まない。

しかし、自分を成長したいと思ったら、学んだことを行動に移そう。それこそが、人生を発展させる鍵である。