昔話

あの頃は、日々、目まぐるしく診療内容が変更したり、引っ越しが決まったりして、大変でしたね。と、スタッフと一緒に3年くらい前を振り返った。

これは私の仮説ではあるが、

自分の健康度と、魂の成熟度は比例するのかもしれない。

あの頃を振り返れば、今より不健康であったため、待つことができなかった。何か自分の思い通りに行かないことがあれば、すぐさま怒りをぶつけていたのだと思う。

「先生も、落ち着きましたね。」

となんだか残念そうに言われた。

内面は全然、落ち着いていない。いつだって、私の中には、人間らしい感情が浮かんでくる。

しかし、以前と異なるのは、それをすぐに人にぶつけることはなくなったこと。

だからと言って、感情がなくなるわけではない。怒り、悲しみ、悔しさ、楽しみ、喜び、いろんな感情を肯定している。

「怒りを持ってはいけない。」

「人を恨んではいけない。」

「苦手意識を持ってはいけない。」

そんなことはない。怒っても、恨んでも、苦手でも、嫌いでも良いと思う。そんな自分を一旦受け入れること。

そうすると、すっと楽になる。

すると、その感情は、実は相手に向けられたものではなくて、自分の根っこから湧き上がる感情であることに気づく。

そんな感情に気づいて、自分を俯瞰してみると、驚くほど、落ち着いてくる。

日々、自分の感情と向き合っている。

そんな感情が湧き上がってくることが多いほど、人は、魂のレベルで成長するのだと思う。

ピンチはチャンス。

イライラ、悲しみなど強い感情が湧き上がってきたときこそ、その感情を見つめてみよう。あなたの玉ねぎの皮がまた一つ剥がれて、成長するはずだ。