方向性を間違えているvol.4
私が、研修医のころから、実践されていた謎の治療法がある。
IgA腎症という原因不明の腎臓の炎症に対して、扁摘パルス療法という治療法が確立されている。
扁摘パルス療法=扁桃摘出術+ステロイドパルス(高容量のステロイド点滴)療法
である。
IgA腎症の原因は不明とされている。ただ、扁桃腺組織に炎症が強いと扁桃腺に対する自己抗体ができて、それが腎臓を攻撃して腎臓に炎症を起こし、腎不全を引き起こす。つまり、病巣感染の考え方だ。腎臓の炎症の大元が、扁桃腺であるから、扁桃腺を取り除いてしまえば、炎症は治まる。その上で、炎症を止めるステロイドを注射すれば良い。という考えだ。
もともとIgA腎症の腎不全への移行は、20年間の経過で、全体の40%程度だという。この治療法を導入してから、腎不全へ進行してしまう例が減っているそうだ。
不思議なことは、腎不全に移行する例と、そのまま維持する例があるということだ。さらに、扁桃腺をとっても良くならない例も少なからず存在する。
さて、あなたは、この現代医療をどう思うだろうか?
私は、扁摘パルス療法が悪いとは思わない。適応があれば、受ければ良いと思う。そこまで進行してしまったら、手術も止むを得ないだろう。
しかし、どうしてそうなったかを考え、病気の大元を解決しないと、また、別の病気を引き起こすことにもなりかねない。また、治癒確率の個体差だって、なぜ生じるのか。それが生活習慣によって制御できるのなら、医者は生活習慣を指導すべきだろう。
さらに、大きな問題は、扁桃腺はその役割として感染症の門番をしていたわけだから、取ってしまえば、免疫力低下に繋がるだろう。風邪を引きやすいなど、引いたら治りにくいなどの症状に繋がるだろう。さらに、高容量のステロイドを投与している間は、良いが、それを漸減中止した後の、副腎へのダメージへの対処も忘れてはいけない。
現代医療の功績は素晴らしい。しかし、治療したらお終いでは悲しくないだろうか。なぜ、腎炎になったのか、それが生活習慣にあるならば、その指導をすべきである。
さて、当院では、どのようにアプローチするかを述べよう。
1、まずは、腎臓の炎症(上層としては上咽頭の炎症)原因をバイオレゾナンス医学によって推定する。
2、感染の上層として、上咽頭炎があれば、上咽頭のケアを行う。歯根感染の場合もあるし、腸の場合もある。それぞれのケアを行う。
3、食事で摂る添加物かもしれないし、食物に含まれるカビや寄生虫などかもしれない。住宅環境に含まれる化学物質、PM2.5などの化学物質、さらには電磁波、などなど。
4、それらを取り入れない生活習慣を指導する。
5、それらを解毒する治療法を実践する。腸→肝臓→腎臓の順のアプローチだ。サプリメントや漢方薬、点滴療法などを用いる。
5、それでも、病巣感染を引き起こしてしまう人は、免疫のねじれを生じている。病気の原因を取り除いても良くならない場合だってある。その場合は、扁摘パルス療法を受ければ良い。その後の再発予防を1−4で行うまでだ。
本当は、そこまで進行する前に、予防できるはずだ。医者は、蛋白尿が出てから、クレアチニン値が上がってからアプローチするから、このような大げさなことになる。もっと未然に、体調不良があったはずだ。その時点で、腸、上咽頭、腎臓のケアをしてあげれば、IgA腎症の発症も予防できるはずだ。
病気は、進行してしまうと、現代医学の対症療法の力を借りざるを得ない。そうすると、ますます病態は複雑となり、自然治癒力は働きにくくなる。このため、当院では、病気の予防に力をいれている。
病気になってからではなく、なる前にケアしよう。
そして、病気になって現代医療の恩恵を受けたら、医者に、再発予防の生活習慣指導を期待してはいけない。なぜなら、病気の原因を履き違えているからだ。病気の原因は、自分で勉強し、生活習慣を変え再発予防に努めよう。
学びながら健康になりたい人は、ぜひ、自立した健康づくりセミナーを参加してほしい。さらに、病気になってしまったけれど、自分の生活習慣を改善し、積極的に自分の体を良くしたいという意識のある方は、当院を受診してほしい。