学ぶことの意義

昨日、太田市役所で市職員向けセミナーをさせて頂いた。

題名は「セルフメンタルケア」

この中で、私はどうしても強調してお伝えしたいことがあった。それは、「人は、学ぶことで、変わることができる。」ということだった。人間は何歳になっても成長できるということだった。

脳の神経細胞は、子供の頃に完成すると増えないと言われていたが、脳科学研究で、海馬のニューロン(神経細胞)は何歳になっても増え続けることが分かった。さらに、神経と神経を結ぶシナプス回路は、年齢を追うごとに、つながりが増えていく。つまり、脳は使えば使うほど、頭が良くなるのだ。

では、脳を使う、すなわち、学ぶとはどういうことだろうか。

人の認知機能とは、フィルターをかけて物事を捉えることである。このフィルターによって、物事は単一的にしか捉えることができない。しかしながら、フィルターを外していくと、物事を多面的に捉えることができる。

学校教育では、このフィルターは絶対だと教わる。

幼少時、本に書かれていることは正しいと鵜呑みにしていた。大きくなると、全く正反対のことが書かれている本があることに気づき、人の考えが本になっている訳であるから、正しいかどうかは分からないと初めて知った。

だから、学校教育で学んだことも、もしかしたら、違うということだってあるかもしれない。親から学んだこと、教師から学んだことは、絶対ではない。学ぶことで、一度身につけた認知の仕方から、解放されていく。一度、自分がつけた色眼鏡をどんどん外していく。

それが学んでいくことだと思う。つまり、学ぶこととは、自分自身の認知の歪みに気づき、物事の本質に迫ることである。

学んでいくと、意外な真実が見えてくることがある。

そんな風に柔軟に考えていくと、学ぶことって本当に楽しい。

医学部にいた頃より、研修医でいた頃より、ずっと医学は幅広くって、楽しいと今だから思う。

学生の頃考えていたより、人生はずっと自由で楽しい。

 

私は、子供達に伝えていきたいと思う。

自由を手に入れるためには、学ぶことが大切なんだ。