太田養護学校で講演させて頂いて
先日、太田養護学校で講演させて頂いた。
養護学校に通う子どもの父兄さんと先生方である。
講演のご依頼を頂いてから考えていた。
障害者を子どもとして持つ親御さんの気持ちというのはどんなだろうかと。
私は、子育ての経験もないし、ましてや障害を持つ子となるとその苦労は分からない。
それでも、私が依頼された意味があると思い、話した。
テーマは「親子の自立」である。
とかく、子どもの精神状態の相談となると、子どものみにフォーカスされがちであるが
実は、家族全体の問題や親の問題が子どもの精神状態の不和として現れることが多い。
そして、親は子どものためと思って心配していることそのものが、子どもの将来を束縛してしまっていることもある。
このことは、診療の中で、私が第三者として話を聞いていて感じることだった。
何も、これは、障害のあるなしに限らず、親子の根源的問題であると思う。
そして、実は、親子のみならず、すべての人間関係においての問題だ。お互い自立した尊重し合う人間関係でなく、依存関係になりやすい。
私もそんな経験がある。何か、人生の目的に迷っている時に、重大な判断をしなければならない時に、自分で責任を負う覚悟ができずに、他者にその判断を委ねてしまった経験がある。
反省した。アドバイスは受けて良いが、根本は自分が自分の足で立っていなければならないのだ。
診療だってそうだ。患者が「先生に何とかしてもらいたい。」と頼って来る時に、お互いに自立した関係性を保つ為にセミナーをしてきた。「あなたの身体はあなたのもの。私はサポーターなんですよ。」
では、お互いを尊重し合う自立した関係性であるためには何が必要か。
実は、一人一人が自分の根っこと向き合うことが最も重要なのだ。
親自身が、自分の心の根っこを癒す必要がある。根っことは、影の部分であり、見たくない部分。このことを、ユング博士はシャドウと言った。バッチ博士はそれをお花の中に見出した。そして、アドラー博士は、課題の分離と言った。
そして、この根っこを癒すための理論と実践がバッチのフラワーレメディーだ。
自然療法とは、医療ではないが、素晴らしい力を持っていると思う。
我々は、人間のエゴにはまって、重要なことが見えなくなった時に、淡々とその場で咲く植物の姿を見習う必要がある。
他のお花を羨むでもなく、自らの内に光と影を内包し、それをすべて受け入れているお花たちの姿は美しい。