ファスティングについて疑問
数年前からファスティングがブームだ。
先日の分子栄養学の勉強会でも、空腹の時間を楽しもうという内容があった。
小胞体ストレスと言って、細胞内のタンパク質を再利用するシステムが
システムダウンしないように、時々、絶食時間を設けて、休ませる方が返って
細胞の代謝効率が上がるという考え方だ。
これは、以前から、マクロビオティクスの考え方と一致する。
また、船瀬俊介さんやタモリさんが、一日一食で健康を維持しているということも聞いていた。
さらに、「アルツハイマーの真実と終焉」にも、認知症の予防に1日12時間の絶食時間を設けようと
提唱されている。
一方で、分子栄養学の副腎疲労の治療としては、低血糖が起こらないように補食をした方が良いと
提唱している。
特に、糖質だけ摂るのでは、血糖の乱高下が起こるので、食事は、タンパク質を多めとして
間食も、ナッツやササミ、ゆで卵、などおつまみ系をオススメしていた。
つまり、
ファスティング→低血糖→交感神経が緊張→ノルアドレナリン、コルチゾールが増加→副腎疲労
となる。
ファスティングは低血糖を引き起こす行為。交感神経を緊張させ、副腎疲労を増悪させるだろう。
つまり、副腎疲労への栄養療法を提唱しておきながら、ファスティングを勧めるというのは矛盾しているのだ。
今までの理論を持ってすれば、ファスティングはしない方が副腎には良いだろう。
そこで、
崎谷博正先生の「糖尿病は砂糖で治す」
という考え方に出会った。
まるで、これまた過激なタイトル!が、本を読んだら、上記の矛盾を解消するヒントを得た。
1、やはり、人間にとって、最大のストレスは低血糖である。
2、米、パン、含めて、多糖類は、食後しばらく経ってから低血糖を起こすが、単糖類 シンプルシュガーは
インスリンを介さずに細胞に取り込まれるため、低血糖を起こさない
これは、パラダイムの転換だった。
確かに、研修医にころ、糖尿病の診断といえば、75gOGTTで、患者さんに、甘いソーダ水を飲ませて、30分ごとに採血するという
試験をしたが、低血糖になった結果を見た記憶はない。
ことの真意を確かめるためには、研修医の頃にやった、75gOGTTを、我々、健常者でやってみれば良い話だ。
そこで、私が考える、分子栄養学と崎谷式食事療法の両者の良いとこどりの副腎疲労に陥らない食事療法としては
1、タンパク質を十分とった方が良い
2、消化酵素が十分出ていない場合には、ボーンブロスなどのアミノ酸を抽出したスープが良い
3、お米であっても、でんぷん質は摂り過ぎない方が良い。特に、パンやパスタなどの小麦粉は、リーキーガット症候群を引き起こすという点で
避けた方が良い。
4、低血糖に陥らないように、捕食は十分した方が良い
ただし、単糖類を摂っても構わない。果物や黒砂糖、植物油脂を含まないチョコレートはOK。
また、タンパク質をおやつに摂りたいならば、ゆで卵や、鳥のササミなども良いだろう。
ナッツは、植物性油脂でありオメガ6系も含むため、あまりオススメしない。
MCTオイルやココナッツオイルは飽和脂肪酸であり、積極的に摂るのは良いだろう。
私自身は、昨年夏までは、絶食時間を設けるという神話に取り憑かれ、朝食を食べずに働いていた。
その結果、体重がへり、低血糖になり、交感神経過緊張となり、副腎疲労に陥っていた。
その後、糖質制限の神話にハマり、おやつで、ナッツばかり食べて、普段の食事でも主食
果物、砂糖を制限した結果、細胞内ミトコンドリア活性が落ち、疲れやすくなり、副腎疲労は改善しなかった。
そこで、夏以降、しっかり、朝ごはんを食べる。ご飯と納豆で食べるか、果物のみのこともある。簡単でも食べることにしたのだ。
補食として、午前11時と17時くらいに、果物か黒砂糖、チョコレートを摂る。
普段の食事は、主食は米がほとんどだが量は少なめで、お肉や納豆などタンパク質を多く食べている。
飲み物で、果物ジュースや、夜の晩酌時も、焼酎には、はちみつなどの甘みを加えることにした。
サプリは、プロバイオティクスとして乳酸菌(クレアラボジャパン)、マルチビタミン、ヘム鉄(ヘルシーパス)を内服している。
どうしても、食事では十分栄養素を摂ることができず、サプリメントには大変助けられている。
体重は2kgほど増えたが、体調としては、以前より疲れにくくなっている。
ただ、先日の栄養学の講座を受けて、
私の反省は、栄養の摂り方を変えても、生き方が変わっていなかった。
随分と長い間、自分も周りも追い込む生き方をしていて、変わったつもりでも
つい元に戻ってしまう。
なんのために生きているのか。
もう、自分を追い込む生き方はやめよう。
今に集中することで、幸福を味わう。
そんな、今を生きていきたい。
そうそう、想定した不安なことは、ほとんど起こらないのだ。
人生長い。そんなに焦ってどこに行くつもりなんだ。
さらに楽しい人生を歩んでいこう。