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「先生、薬を使わないでどうやって治すのでしょうか?」

こんな質問を診察室で何度か受けたことがある。

誤解している。

「薬は使います。薬を使っても、使わなくても、私はあなたを治すことはできません。」

「治すのはあなた自身です。それをお手伝いするのが私の仕事です。」

私は本気で仕事している。
だから、
「この先生は、どんな感じかな〜。」
と気軽に来ていただくのは嬉しいが、
医療というのは
スーパーに野菜を買いに行くのとも
デパートに服を買いに行くのとも違う。
コンビニ受診とよく言われたが
「気軽に受診して、薬をもらう。」
そんなのとも違う。

同じ病気で、同じアプローチをしても、良くなる人もいれば、良くならない人もいる。

それは、自由だと思う。
一期一会を大切に、今もっとも必要な治療法を提案し、
それを選択された場合には、実行する。
そして、生活習慣を治してもらう。
あなた次第。
医療は、「患者様はお客様」でお客様のいうことを何でもするというサービスではない。
あなた自身が、主体である。

そんな患者主体で生活習慣から見直す包括的アプローチが
アメリカの統合医療で実践されていると言う。
先日、安西英雄先生のお話を聞いて学んだ。

まさに、当院で実践しているコンセプトと一緒だった。

決して、欧米が進んでいるとは思わないが
医療においては少なくとも
日本人のお上意識を脱却したい。

自分の人生に、責任を持とう。
それが基本で
私たちがサポートできることを提供する。
そんな覚悟で日々、診療している。