おしゃべりセラピー
私は、何か、もやもやがあると、人に話をすることにしている。
もやもやの正体が最初は何だか分からなくて、だんだん話していると具体的になってくる。もやもやの中にイライラが隠れていると、語気が強くなって、
「あ、私、怒っている。」と気づいて、ちょっと見直して、相談したいことをより具体的にする。
そうやって話していくと、安心する。最後は、行動に落とし込む。まだ、行動に移す前だけど、すべき行動が分かると落ち着く。
行動に移してみたら、最初の想定した心配がとても馬鹿げたものだと言うことに気づく。
この過程で、大切なことは、もやもやを無かったことにしないことだ。モヤモヤをモヤモヤのまま見つめて、受け入れる。その上で、人に相談してみると、話している過程で自分自身で答えが見えてくる。
でも、おそらく、人が相談すると言う行為は、自分の中に答えを確認する作業なのではないかと思う。
診察室で、あなたが語ることもそうだ。あなたの話の中に、答えが眠っていて、それをそっと見出してあげる作業が診療なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
もやもやがあったら、もやもやをそっと見つめて、具体化していこう。話を聞いてくれる人がいたら、話してみよう。そして、相手に感謝しよう。答えはあなたの中にあるはずだ。