うれしかったこと

毎日の診療の終わりに、看護師さんから、患者さんの様子の申し送りを受けている。

その時に、ある看護師が私に言ってくれた。

「私は、今まで、たくさんのドクターの診察を見てきました。多くのドクターはそこまで踏み込まないです。もっと表面的に診察を終えて、薬を出すだけです。でも、先生は、内科の患者さんであっても、心の面まで踏み込んだり、本質に迫ろうとする。その結果、患者さんが怒ったり、不快に思うこともあると思います。でも、表面的な診察で、患者さんのことを考えていない医師よりもずっと、その人のためになると思うんです。」

こんな申し送りを受けて、私は、つい涙を流した。

うれしかった。

医師としての仕事を追求すること。それをしてきて、本当に良かった。

以前、先輩の医師から教わったこと

「名医というのは、当たり前のことを当たり前にし続けることができるかなんだ。」

と。

人の話を聞いて、親身になって、解決策を見いだすこと。それが、体の面であれ、心の面であれ、同じだ。考えに考えた結果、やはり、私だけが考えて、悩んで、色々な提案をしても、患者さんが学ぼうとしなければ、何も変わらないと知った。そこで、「学びながら健康になる」をモットーにセミナー活動を始めたのだ。

全部、真の医療を追求して、人が健康で生きられる社会を作るためだ。

シンプルなことだけど、それを続けることが価値あることなんだと、看護師から教えてもらった。そして、私が診療で、患者さんに伝えたいことを伝えられるのは、このような優秀な看護師や事務スタッフが、後でしっかりフォローし、支えてくれるからだ。

仲間に感謝したい。