屈辱

毎年数回、医師会の休日当番がやってくる。本日が、そんな日だった。

その日は、ポラーくんも休んでいてもらう。ポラーくんも、固唾を飲んで、黙っているのだろう。

と言うわけで、この日だけは、発熱があれば、通常のインフルエンザ検査をする。10名ほど検査をして、陽性だったのは1名。

では、検査が陰性だった人が、インフルエンザではないかと言うとそうではない。発症直後であったため、検査はマイナスだが、感染していた可能性が高い。いわゆる偽陰性だ。

おそらく全員が感染していた。

発症直後で、検査をしなかった人も多かった。

「発症直後のため、検査をしても陽性に出ません。検査結果が気になる様でしたら、明日、近医を受診してください。臨床的には、インフルエンザですので、この時点で、インフルエンザの治療を開始することも可能です。どちらにしますか。」

というと、ほとんどの人が、再検査を望んだ。

人が、医者の臨床的経験や勘よりも、検査結果を優先する世の中というのは、私にとっては、とても屈辱的だった。

世の中に優れた検査が出てきたのは良いが、検査の感度は100%ではない。医者の見立ての方がよっぽど正しい。検査よりも医者の言うことを信じて欲しいと、イライラしながら診察していたのは事実だ。

いつから、人間はこんなに馬鹿になったんだろう。