低血糖だから糖質制限する!?

副腎疲労で、低血糖症状があるから、糖質制限をしようと言う理論はおかしいと思う。

その理論の背景は
一回の食事に、炭水化物が多く、タンパク質、脂質が少ないために
食後高血糖の後、インスリン分泌後に低血糖をきたす。
特に、単糖類 砂糖、果糖は、血糖を乱高下するため
単糖類も炭水化物も控えて、おかずだけ食べようと言うことだ。

が、振り出しに戻ると
やっぱり、おかしい。

糖が低いのに、糖を制限する。
これは矛盾していると言うことは、子供でもわかる話だ。

糖が足りなくて、飢餓状態の時に、糖質を制限してしまったら
細胞はエネルギー代謝できなくて死んでしまうか、
代謝異常の末にがんを発症してしまうだろう。
実際に、日本には、何人か、水とわずかな食物のみで生きている不食の人たちがいるそうだが
そんな人がガンを発症したと言う。

なぜ、体に害をもたらすような
添加物も重金属も摂っていないのに、ガンを発症するか。

それは、細胞の代謝障害以外何者でも無い。

お金に例えるなら、
金欠でお財布にお金が無いけれど、働かずに、定期預金を切り崩そう。みたいなことだ。
普通に考えれば、すぐに働いて、現金収入を得た方が良い。

糖質制限をして、一時的に体調が改善する人がいる。

糖質と言っても、砂糖+小麦粉+植物油脂のコンビネーションで
パンや洋菓子などを頂いていた人が、糖質制限すると
小麦粉によるリーキーガット症候群、植物油脂による過酸化脂質の減少によって
体調が改善しているのだろう。

また、もともとカロリーを取り過ぎていた人が
糖質制限によって、適正なカロリーに戻った場合には
体調が改善することもあるだろう。

一番、避けた方が良いのが、
私のような、体重が標準体重より少なくて、もともと胃腸が弱い人の場合である。

糖質を制限し、急にお肉やお魚などを増やした場合に
タンパク質の消化酵素が十分出ていないため、タンパク質を
エネルギー源に変えることができず
細胞が飢餓状態になってしまう。
また、今まで植物性の油が多いと不飽和脂肪酸のため
糖質制限中に分解された脂肪が過酸化脂質となり
全身の細胞の代謝をブロックする。

では、細身のあなたが、空腹時(昼食前、夕食前の時間帯)にだるい、疲れやすい、イライラする
夜中に手足に汗をかく、夜間中途覚醒があるなどの低血糖症状どうしたら良いか。
ポイントは2点ある。

1、糖質制限の意味
糖質でも、細胞代謝にすぐに使われる果糖や砂糖(ミネラルを含む黒砂糖やきび糖)は
積極的に摂った方が良い。
一方で、多糖類である炭水化物 お米はどうか。
小麦粉は別の理由で控えた方が良いが、お米はどうか。
全体の摂取カロリーが少ない方の場合は、制限しない方が良いと思う。
量の問題である。
ご飯ばかりたくさん食べていた方は、タンパク質を徐々に増やして、摂取できるようになってきたら
徐々に減らした方が良いかもしれない。
私は、もともと、お米をたくさん食べていた方ではないので、
現在、制限していない。

2、低血糖時は補食した方が良い
分子栄養学では、血糖の乱高下を防ぐために、ナッツやささみ、卵などのタンパク質を
補食に勧めていたが、上記理論から言うと
タンパク質をすぐに代謝してエネルギー源に変えることは、そう簡単ではない。
特に胃腸が弱い人には無理難題だ。
糖が足りないのだから、単糖類を補えば良い。
クリニックでは、ドライフルーツ、良質なチョコレート(植物油脂フリーのもの)、黒砂糖
などを摂っている。りんごやぶどうのストレートジュースを飲むこともある。

3、徐々にタンパク質を増やしていく
あなたが胃腸が弱い場合、
ボーンブロスやだし汁など
だしから出るアミノ酸を摂るようにすると良い。
その後、3食の食事で摂るタンパク質を増やして行くと良い。
卵、肉、魚、豆
大豆は、生では消化に負担がかかり、不飽和脂肪酸も多いため
発酵した納豆がオススメだ。
卵を1日1個に制限した方が良いと言うのは、
コレステロールを間違えた概念で捉えている迷信である。
私は1日2−3個食べるよう増やした。
お肉は、苦手な人はミンチなど、細かくしたものから摂ると
良いだろう。
シラスなどの小魚は、常備しておくと
お弁当や朝ごはんに便利である。

私自身、粗食が良い、一日一食
動物性タンパク質を摂ると凶暴になり、がんになる
などの迷信を信じていた結果、
つい1年前は、低栄養となりパニックになり
診療を続けるのがやっとの状態であった。

ところが、この半年は、食材はものすごくこだわっている訳ではなく
近隣のスーパーで買い物したり、外食の機会も増えたが
全体のバランスを調整した結果
とても体調が改善した。

間違えた食に関する迷信は手放そう。
その先に、楽しい人生が待っている。

低血糖だから糖質制限する!?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 束河朋子 より:

    さやか先生
    今日、初めて先生のブログを読ませていただいています。
    やっと、やっと、やっと、たどり着いたんだと感動しています。
    私も食生活ジプシーをして、10年経った今でもまだわからない。毎日そう思って迷っていました。
    小さな頃からアレルギーのおんぱれーど、現在は不眠ぎみで、痩せ型で、食後血糖値が高く、慢性疲労ぎみで、おそらくhsp。常に体調不良の改善のために思考し、ストレスで摂食障害になる時があります。現在40代後半です。
    2年前に糖質制限をし、短期で激ヤセし、ふらふらになり、体調を崩しました。
    崎谷先生の本を読み、今度はパレオ食に近いものを行いましたが、炭水化物を減らすことは大変なストレスでした。
    占い系の方からは、今はあまり考えないで、心が喜ぶものを食べていった方がいいですよと言われ、3食の他に黒砂糖を1日に80グラムから100グラムも食べています。
    胃腸が弱い人はボーンブロスなどから摂取していくのですね。本当にどうしていいのかわからなかったです。
    ありがとうございます。
    これからゆっくりと、先生のブログを読ませていただきたいと思います。
    本当に先生のブログに出会えて、嬉しいです。ありがとうございます。

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