人の人生は変えられない

先日、友人と話していて

「私は、サヤカに出会って、自分の人生を変えても良いと思った。と言うか、変わったんだ。」

と聞いた。一瞬、耳を疑った。

「え?」

聞けば、今までやっていた仕事も人間関係も変わってきたと言う。それが、私との出会いがきっかけだったと。それだけではないと思うが、影響力が大きいと言うことなのだろうか。

逆もそうで、私も彼女と出会って、大きく、人間関係が変わり、住む場所が変わり、ステージが変わった。

人は、そうやって、お互いに影響を与え受けながら、人生を形成していくのだろうと思う。

でも、私は、絶対に譲れないことがある。

「俺の人生に付いてきてくれ。」と言われたら、多分断るタイプだ。だから、昔から男性にはモテない。私の夫は、私と出会って、自分の人生を方向転換してくれた。彼にとって、それが良かったか、悪かったかは分からないが、私はとても感謝している。だから、夫の転勤や病気などで、生き方を変えていく女性に出会うと尊敬する。

しかし、究極的には、人の人生を変えることはできない。人の病気も治す事ができない。運命的な出会いがあって、相手からどんな言葉がけをされても、自分の魂の声を無視し続けたら、変化は起こらない。人生が変わり、病気を治す事ができた人がいるのは、その人が、自分の魂の声に気づいたからだ。そのきっかけは、どこで訪れるか分からないのだ。それが、事故であったり、病気であったり、はたまた人との出会い、本との出会いだったりする。

だから、夫婦であっても、あの夫と結婚して、私の人生が変わったと思っているかもしれないが、究極には、自分で選択した人生なのだ。

先日、クリニックの今年最後の院内研修で振り返りを話していたら、

「このクリニックで働いて、私は人生が好転した。」

「以前の職場では、毎朝起きると仕事に行くのが嫌だったが、今は、ここに来るのが楽しい。」

などと話してくれた。

奇跡が起こるさやかクリニック!と言うのはカッコいいが、これは、強制できない。ここに集う仲間や患者さんが、自分で気づいて、人生を自分のものにして行く。そんな彼女たちの力に敬服する。

前の記事

仕事納め

次の記事

一年の終わりに