アートの力

アーツ前橋で興味深い展示会がなされている。

アートを医療・福祉の現場で活かすというのは大変興味深い。

従来型の芸術療法と、似て非なるものである。
いわゆる芸術療法は、病気の治療の選択肢の一つに、芸術の力を借りようと言うものである。
音楽鑑賞したり、一緒に歌を歌ったり
病院にきれいな絵を置いたりする。芸術鑑賞や、それに参加することによって
自らの病の治癒に役立てようというものである。

しかし、今回の取り組みは異なるようである(私の解釈によればのお話だが)。
すなわち、
芸術自体が、何も特別なものではなく、
自己理解、自己成長、自己表現のツールである。

表現することで自己理解につながる。
芸術活動自体が生きることそのものである。
誰もが主人公であり、表現者である。

友人からご紹介頂き
「表現と自立」という本を読んだ。
11年前に桐生市立養護学校で美術を教えていた石井克先生が執筆されている。
冒頭の鈴木五郎先生による紹介文に
自立がなければ表現は成立しない。表現は表現者の価値観に基づいて選択と判断によって成立する。
他者からの干渉によって表現することはできない。自己が自己に命令する。
とある。
そして石井先生は
「私はその中で教育の仕事はどんなに障害が重くとも、基本的には健常者と同じだと考えてきました。」
とある。
すなわち、石井先生は自立があってこそ、表現が成り立ち、それは、健常者と障害の区別がないと考えている。
真の教育のあり方がここにあると思う。

そう考えるとアートで心を癒すといった生易しいものではない。
もっともっと根源的な人には見せられないような表現もありうるかもしれない。
そういった芸術活動を通して、自らを見つめ、自らを活かす未来を作り上げて行く。

現代はまさに混沌としているかもしれないが、混沌としているからこそ
教育と医療を結ぶ手段にアートが担う役割はとても大きいと思う。

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