「コト体験」とは何か

先日、ぐんまHHCは、太田市のシティープロモーション事業「まちじゅうみんなでコト体験」という事業を提案させて頂き、ありがたいことに採択して頂いた。

「コト体験」とは分かりにくいので説明したい。

なぜ、私たちが「コト体験」にこだわるのか。

人が本当に変わるのは、見聞きしたのではなく、その事に感動して、自分で行動に移した時、つまり体験した時なのだ。

見て、聞いて、感じて、感動して、動いて、体験して初めて、人は変わる。

つまり、経験が三人称、二人称ではなく、一人称になって、初めて腑に落ちるのだ。

初めて自転車に乗れた時、初めて泳げた時、初めて海外旅行に行った時の感動を覚えているだろうか。経験して初めて人は、新しい世界観を知ることができる。

自転車を人が乗っているのを見る➡乗りたいと思う➡自転車のハンドルを握る➡自転車に乗る➡転ぶ➡乗る➡乗れる

水泳している友達を見る➡泳ぎたいと思う➡泳いでみる➡溺れる➡泳ぐ➡泳げる

自転車が乗れた後の世界は、乗れる前の世界観と異なっていたはずだ。

 

例えば、私たちが今後企画している具体的な「コト体験」を例に挙げよう。

畑で農作業を経験する

カフェでラテアートをつくり店員を疑似体験する

クリニックで看護師を疑似体験する

 

農業体験に参加したA君は、自分が毎日食べているお米が、農家の方々の愛情と貴重な労力によって作られていることをリアルに感じることができる。そして、お米や野菜を作る農家の方々がいなければ、日々の食べることができず、生きて行くことができない。作る事は生きる事なのだと実感する。

カフェで、自分で作ったラテアートをお客様にサービスしたBさんは、カフェで提供していることは、単に、珈琲を出すことだけではなく、お客様の大事な一時を、心を込めて演出していることを体感する。

クリニックの看護師体験に参加したCさんは、看護師さんの何気ない一言が、患者さんを勇気づけていることを知る。看護師とは、注射や点滴などのサービスを提供することの裏側には、患者さんの治癒を促す為の深い愛情があることを実感するのだ。

これらを体験した子ども達が、将来の夢を考える時、ここで経験した「コト体験」はきっと大きな糧となるだろう。

これらの「コト体験」を創出するには、協力企業の理念が大切になる。その理念を体験として展開する。参加者が、理念を感じ、体験することにより、参加者の人生が変わるのだ。そして、企業も変わる。理念を明確にすることで、自分たちのサービス、商品の価値を再確認する。

この体験の参加者と協力企業の前後の意識の変化を、われわれが発信する事自体が、太田市のプロモーションになるのだ。

この事業を通して、戻って来たくなる、住みたくなる、住み続けたくなる、働きたくなる太田市のプロモーションに少しでも力添えできたらうれしい。