聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥。

「分からないことを人に聞くことができる」

これは、生きる上でとても大切なことである。

以前、知人と奈良の街を歩いた時、あるお寺に行こうとして道が分からなくなった。私が、スマホで調べようとすると、知人が、道ゆく人に訪ねてくれた。

それも何度も。

その時、思った。そうだ、google先生に頼るよりも、目の前の人に聞くほうが早いし正確だ。

今は、インターネットが普及されて、なんでも自分で調べられるようになったから、人に訪ねたり、電話で問い合わせたりと言うのが、ものすごく減った。

でも、思う。

人から教えてもらうことって、とても大切だと思う。

つまり、分からない時に、分からないと言えることが大切なのだ。

5年前に開業した頃、一人で始めたので、レセプト作成も自分でした。その時、基本的なことを含めて、国保連合会や支払基金に出向いて、一から教えてもらった。レセプト請求するのは初めてだし、分からないことだらけだったので、根掘り葉掘り聞いた。とても親切に教えてくれたのを覚えている。聞くことを恥ずかしいと思ったことはなかった。

医者になったばかりの頃、結局のところ、現場で役立つ知識というのは、本に書かれていることではなく、指導医の先生から生で見聞きしたことだった。知ったかぶりをしてしまった時に、結局、自分が理解しないまま診療にあたり、患者さんに迷惑をかけてしまうことが分かった。だから、分からないことは分からないので教えてくださいという姿勢でずっと研修していた。すると、指導医や同僚は驚くほど丁寧に教えてくれた。優秀な仲間に恵まれると、自分の成長も早いのだ。

自分が新しい境遇になった時、大切なことは、3つ。

1、素直であること。

2、分からないことを恥だと思わないこと。分かったふりをしない。分からないことを分からないと言えること。

3、そして、分からないことを素直に人に聞くこと。

だから、自分が知らない、分からないことを恥だと思って、自分だけで何とかしようと思うと、人は成長しない。

人の力を素直に借りることができた時、人は成長するのだ。

そうだ。素直に生きよう。