今を生きる

先日、ある先生から、大切なことを教わった。

「夢が叶った時には、もう次の夢を追いかけているので、本人は、それが夢だったことを忘れてしまっていることがあるんですよ。」

なるほど。自分の向こう10年間の夢を書き出した。ワクワクする。「こんなことを本当に実現できるだろうか。」という不安をヨソに、ペンが止まらない。そして、想像する。この夢を仲間と一緒に実現した時、どんなに幸せだろうか。

ふと我に帰ってみると、夢が叶った時に、それを嬉しく実感することに重きを置いていないことに気づいた。もっと幸せを実感できると良いんだろうな。

例えば、医者になろうと思ってあんなに夢にまで見て医者になった。医学部受験や国家試験が受かった直後はとても嬉しかった。しかし、医者になることが目的ではなくて、その次がある。あっという間にその幸福感はどこかへ去って、現実がやってきた。

ちょうど12−13年くらい前に、街の中で、学びの場を併設したクリニックを開業することを夢見ていた。開業という夢は実現した。もうすぐ、新しい場所で、自分の理想のクリニックを新規開業する。デザインしてもらった建物が形になっていくと本当に嬉しい。ワクワクしているが、より大きなことを実現したいと何だか焦燥感に見舞われている。

10年前に漠然と考えていた。NPO法人を設立して、社会貢献したいと。昨年、設立して事務所を構えることもできた。そして、法人は新しい局面に入っている。

昨年の今頃、クリニックの移転を漠然と考えていた。太田に行こうと。そして、太田に移転が実現している。学びの場と治療の場の併設は実現しているのだ。

自分のイメージが実現している。

にも関わらず、私の中には、まだまだ達成感がない。自分の人生が新しい局面を迎えるに当たって、不安に苛まれていいたのかもしれない。先を追い続けることは大切だけれども、振り返って見て、多くの夢が実現していることに感謝し、その幸せをふと感じることが大切なのだろう。

日々、やるべきことやりたいことが沢山ある中で、

笑って、今に感謝することほど大切なことはない。

今の積み重ねが人生を創っているのだ。

夫と他愛ない話をしながら、自分が作った夕飯を美味しく食べている時、何だかとても幸せだなと思う。

高い秋空を眺めている時、心がすっとした。

今立っている自分の位置を確認した貴重な3連休だった。